日商簿記1級に合格したら、就活で有利になるの?と気にしている方も多いと思います。
就活時に役に立ったことや、経理として働いた経験を元にもっとこういうところをアピールすべきだったということを書いていきます。
簿記1級を取得しこれから就活を始める方、簿記1級にチャレンジするかどうか迷っている方の参考になれば幸いです。
目次
日商簿記1級を取得して就活で役に立ったこと3選
結論から言うと、簿記1級の取得はかなり役に立つと思います。
私は地方国立大学卒業後、東証一部上場企業に就職し、経理として配属されましたが、特別他人より優れた能力や、経験もなく、簿記1級がなければ無理だったと感じています。
あまり多くはありませんが、簿記1級をもっていないと応募できない企業もあります。そのような企業では学生のエントリーも少ないため、競争が激しくありません。
ただし、周りも簿記1級を持っているので、別の武器でアピールすることが必要になる点は注意が必要です。
面接官は簿記1級の難易度を知っているので、努力ができる人という評価はしてもらえると思います。ただし、その努力が大学生活ならではの環境だからできたと思われないよう、社会人になっても努力ができるという、再現性の有無は非常に大切です。
エントリーシートに書けるのはもちろんですが、面接では毎回企業の方から触れてもらえることが多く、また聞かれることも似たようなことが多いので、面接が楽になります。
私は面接が苦手だったので、この点は非常に役に立ったと感じました。
面接でよく聞かれたことと実際の回答
簿記1級に関して、ありきたりな質問ばかりですが、面接でよく聞かれたことと私が実際に答えた内容を紹介します。回答の内容について、面接官がどのように評価をしたのかはわからないので、あくまでも参考ということでお願いします。
Q1 日商簿記1級を取ろうと思ったきっかけは?
A1
大学で簿記の単位の取得が必須で、それで簿記に興味を持った。ずっと何かお金を稼ぐためのスキルを身に付けたいと思ったのがきっかけです。
Q2 挫折しそうになったときはどのようにして、乗り越えたか?
A2
未来で、経理として活躍する自分の姿を思い浮かべることでモチベーションを維持、向上していました。この1年、半年を頑張ることで、この先の社会人生活が大きく変わるという思いで頑張りました。
(補足)
この回答は面接官にその場でほめられましたが、後述しますが、もう少し周囲と協力して乗り越えたという観点で答えた方がよかった気がします。
Q3 会計事務所や税理士事務所は目指さないのか?
A3
詳細な回答は控えますが、すぐに転職されるリスクを回避する質問だと理解して、製品やサービスを見て入社したいと思ったという視点で回答しました。
経理として働いている経験を踏まえた面接での反省点
経理として働く中で、すごく感じるのはコミュニケーション能力はやっぱり大切だということです。
日々の業務で、現場の方をはじめ色々な方から、どういう仕訳をきればいいのか、勘定科目は何を使えばいいのかよく聞かれます。簿記のボの字も知らない人から正しい会計処理をするための情報を聞き出すのは結構大変な作業です。
また、イレギュラーな取引が発生したときには、上司になぜこの仕訳が妥当なのか会計基準等に照らし合わせて、論理的に説明する必要があります。
面接の段階で、ここまでのコミュニケーション能力は必要ないかもしれませんが、少なくともコミュニケーションをとるのが苦手だと思われるのは厳しい評価になると思います。
面接で簿記の勉強に関するエピソードを話すと、どうしても一人で完結するエピソードになりがちだと思います。私がもう一度、新卒で就活するのなら、簿記に関するエピソードを話すにしても、もっと周りと協調して取り組んだというアピールをすると思います。例えば、友人とわからないところを教え合うことで理解を深めた。つらい時期も周りと励まし合いながら乗り越えたなど話すべきだったと感じています。
まとめ
私自身の経験としては、簿記1級を就職でかなり役に立ちました。
合格まではかなりつらい時期もありましたが、挑戦してよかったと思います。
ただ、就活のためだけに1級をとるのはあまりおすすめはしません。そもそも1級は合格率10%の難しい試験ですし、年2回しか受けられないので、就活までに合格できる保証はありません。
将来、会計知識を生かして仕事をしたいという方は挑戦してもよいと思いますが、そうでなければ、短い大学生活の中でそのときしかできないことをすべきかなと思います。1級の勉強は社会人になって必要だと感じた時に勉強を始めても全く遅くないと思います。